樋口製作所

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2024.03.28 プレス加工

高い技術力の証であるトランスファプレス加工

技術変遷を繰り返してきたトランスファプレス

トランスファプレス加工とは、大量生産をかなえつつ、複数工程の加工を可能とする、現在の自動車部品製造には欠かせない加工方法です。

まず、『プレス加工』とひと言で言っても、その加工方法は様々です。

①せん段加工
②曲げ加工
③絞り加工

この3つが主な加工方法です。

次に、プレスラインで分類することも可能です。
プレスラインのうちの一つが、【トランスファプレス加工】です。
3つのプレスラインでの分類を簡単に見ていきましょう・

①単発プレス加工

1つの金型で単一の工程のプレス加工を行う単発金型を用いた加工のことを言います。
単発金型は、比較的数量が少ない製品を加工する際に用いられる場合が多いです。
単発プレス加工は、1工程毎に人の手で製品を投入、加工、排出と1サイクルを完了させるため、生産タクトがかかる傾向になります。

数量が多く、工程数が多く必要とする製品の大量生産を行うには不向きです。

②順送プレス加工

単一の金型に複数の工程が圴一間隔で設置されている、順送金型を用いたプレス加工のことを言います。単発金型に比べると高価ですが、複数工程の加工が可能となるため、多くの工程を必要とする場合には適用することが多い加工法です。

③トランスファープレス加工

順送プレス加工と同様に、大量生産に向いたプレス加工方法です。順送プレス加工に比べて製品形状の自由度が高く、深絞りのプレス加工に向いているため、樋口製作所ではトランスファプレス加工を用いた製品の製造を得意としています。

トランスファプレスでは、単工程の金型を複数並べて、各工程の間で加工材を搬送して加工を行います。複数の工程を繋げて加工する方法は順送プレス加工と同様ですが、各工程は単独(単発加工)で加工され、前後の工程を2次元または3次元送り装置で搬送し加工が進みます。

プレス機の間で加工材の搬送が必要なため、金型の制作費用に加えて、設計費用が必要となります。

絞りや成形製品で外形が大きく変化するものについても適用可能な点が強みといえるでしょう。

樋口製作所 トランスファプレス加工の実績

【加工事例①】

複雑形状かつ多数の穴抜き加工を必要とする製品を生産するためには多数の工程が必要となります。
樋口製作所では新たな技術へのチャレンジを実施し、トランスファプレス1工程での量産化を実現しました。
金型内に孔数・孔位置検査機構を設け、全数検査の実施を行っています。

材質:SPCE t=0.8、加工工法:トランスファープレス

【加工事例②】

複雑な形状のため工程数が多い部分をトランスファ1工程で加工することに成功しました。
形状・全長が違う場合における多くのバリエーションの実績がございます。

材質:SPHD t=2.3、設備:トランスファープレス

【加工事例③】

自動車に使用する部品の製造のご依頼として、コイル材(ブランク形状)から絞り加工にてリング形状への加工を実現しました。

材質:SPCC 板厚=1.2、加工工法:トランスファープレス

トランスファプレス加工で実現できること

樋口製作所ではお客様のご要望に応じ様々な形状をしたプレス加工部品に対応しております。
設計から製造(プレス加工、洗浄、切削、溶接、インサート成型、塗装)まで全工程を社内で完結する事が出来ます。

特に、高い技術力が求められるトランスファー金型の設計では、ベテランの設計士が制作に当たっています。何工程で要求された形状をつくるか、整形の順序、工程レイアウトをまず作成し、工程レイアウトが決まると、それに応じ組図や部品図を作成して行きます。

また、社内一貫生産するメリットとして現場の声を設計者へスムーズにフィードバックが出来、スピーディに対応し品質はもちろんトータルコスト面からお客様へ提案する事が可能です。
また、開発や試作段階からの取り組みを行うことでの問題の把握、量産に向けた改善課題の立案を行い、より早い製品立ち上げを実現致します。

ご相談は樋口製作所へ!

変化がスピーディかつ激しい時代、
樋口製作所は、お客様の要望も多種多様化する中で、しっかりとお応えしていくためにも、これまで培ったノウハウに加え革新する最新技術、あらたな開発技術を融合させて新たなものづくりスタイルの確立を目指します。

ご相談は創業86年、蓄積されたノウハウと革新的な技術開発の樋口製作所へ!

樋口製作所創業時からこだわり続ける深絞りの技術で新しい価値創造を実現します。

確かな設計と加工のプロである樋口製作所であれば、経験豊富な技術を元に精度の高い加工対応が可能です!

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